建築模型と向き合う
スタッフコラム・ブログ2020.04.03
こんにちは。
デザイナーの丸中です。
本日は、高気密高断熱についてのお話です。
先日、ある参考書を読んでました。
「高気密高断熱はエアコンの効きがいい。」
うん。知ってる。
けど、実際のところ、どれだけ「効く」のか体感したくなった。
体感したくて堪らない。
やらないわけにはいかないでしょう。
(ルール)
■約10℃、温度が上がるのに何秒かかるかを計測。
場所:合志モデルハウス(寝室)
気温 20℃
目標温度30℃
断熱材:吹付断熱材アクアフォーム
サッシ:半樹脂サッシ
(おそらく、高気密高断熱と呼んでいいレベル)
6畳の居室+3畳ウォークインクローゼット
エアコンの温度設定は最高温度の30℃でスタート
温度計の設置を室内4カ所
それでは始めていこう。
まずは温度計を購入。
100均で購入した温度計。4つとも同じ温度を示す。価格の割に高性能。
早速、エアコンを暖房30℃に設定。
部屋を閉め切り。
温度計を設置。部屋の間取りはこんな感じ。
開始3分でエアコンから暖かい風が出てくる。
少しスロースターターなエアコン君。
開始5分経過。
室内の方の天井付近は3度も上昇。
これは思ったよりも早い温度上昇。
高気密高断熱であることで、
魔法瓶みたいになっているから、
比較的早い段階で温度差を体感できるんだなぁ。
10分経過。
居室とクローゼットで、
体感で分かるくらいの明らかな差が出てきた。
室内はなんか「もわっ」とした感じ。
クローゼット内は「ひんやり」した印象。
エアコンの風がクローゼットの方を向いているので、クローゼットの方が先に暖かくなると思いきや、居室の方が一気に温度上昇。
この三角形の「垂れ壁」が熱の流入を防いでいると予測できる。
見えないカーテンみたいな感じ。
天井付近の差がこれ。
5℃も違う。
クローゼットの中よりも、居室を暖めたいので、この「垂れ壁」が、本当に優秀なのが分かる。
20分経過
やはり垂れ壁の向こう側は異世界。
まさに楽園。
涼しい。
すごいぞ。タレカベ。
ちなみに、居室の天井付近は27℃。夏日ですな。
床は23℃。
30分経過
本当にエアコンはよく効く。ものの30分で、この感じ。
居室は床が25℃、
天井に至っては28℃という結果。
30分以降は過酷な実験となった。
今考えると、ここらへんでやめればよかった…。
40分経過
心地よい汗がにじむ。
ここはハワイではないかと錯覚する。
ついに天井の温度計が30℃を記録。
いよいよ真夏日への突入である。
50分経過
ハワイを通り越して、まるでサウナにいるような感覚。
持参していたお茶もぬるくなり、それでも飲まないとやってられない。
たまに、避暑地に避難。
逆に冷房を入れているんではないかという、クローゼットという異世界は、最高の居心地。
適温の22℃位。
ここは軽井沢か。笑
エアコンの吹き出し口に手を当てると、最初に出ていた暖かい風よりもぬるい風が出ている。
おそらくエアコン側が温度を感知して、手を緩めたのだろう。エアコンも賢いですな。
温度自体は居室の天井の温度は30度と変わりないが、部屋全体の温度が上がっている印象。
60分経過
実験終了。
最終結果はこの通り。
クローゼット床
クローゼット天井
居室床
居室天井
【実験結果・考察】
やっぱエアコン効きますなぁ。
高気密高断熱。
これが、築35年の実家だったりすると、永遠に設定温度に届かないと思う。
熱が逃げていくからね。
居室内でも天井と床で温度差が出るので、サーキュレーターなんかを使って、気流を作ってあげて、部屋全体の温度を均一にすることは大事ですね。
温度差が3℃から5℃もあると少し「頭がぼーっと」しますね。
あと、「垂れ壁」は超優秀。
最近、クローゼットには扉を付けない人が多い。
(コストカットやクローゼット内の湿気がこもったりするのを防ぐため)
そんな時も、天井から20センチくらい壁を作ってあげると、快適性がぐんと上がることが分かる。
終わった…。
耐えきれず、窓をフルオープン…。
心地よい春風が吹き込んでくる。
僕の短い夏は終わった。
(甲子園球児みたい。笑)